Jeannot・Yann Durieux・2017

商品名:ジャノ

生産者名:Yann Durieux

品種:ピノノワール

地域:フランス>ブルゴーニュ

カテゴリー:赤

容量:750ml

$1,623.00
 
$1,623.00
 

(以下、インポーター資料より)
ヤン自身が誠心誠意の仕事とありったけの愛をつぎ込まれて生まれたワインが、
この「ジャノ」です。
キュヴェ名の「ジャノ」は、愛する祖父のあだ名から名付けられました。
2014年が初ヴィンテージとなり、総生産量はバリックで4樽ほど。
ヤン曰く「1樽が試飲用、1樽は自分用。
2樽だけ売ることになるかな。」オート・コート・ド ニュイの区画のなかでも、
ヤン ドゥリューなりの畑の格付けがあり、レ・ポン→プルミエ・ポン→グラン・ポンと
そのヒエラルキーの階段をあがるごとに複雑味と表現力が増していくのですが、
そのピラミッドの先端にはアペラシオンこそ名乗っていませんが、
ジュヴレ・シャンベルタンなどの村名クラスのワインが、
さながらグラン・クリュのようにその尊大さを樽試飲の段階で見せつけてくれます。
そんな事実上のグラン・クリュの後に登場した最高の位置づけとなるテート・ド・キュヴェがジャノです。
ニュイ・サン・ジョルジュ1er Cruから150m離れているオート・コート・ド・ニュイから収穫され、1980年植樹。新樽で2年熟成した後、瓶詰。

この区画は祖父との思い出が詰まった畑で、と言ってもあくまで「隣」の畑ですが、
そんなのお構いなしと、ヤン・ドゥリューの人生そのものが投影されたかのような重厚な趣と、どの彼のワインも凌駕する圧倒的なまでのヴァイヴレーションを放っています。
まさに「筆舌に尽くしがたい」というのが率直な味わいの感想ですが、
眼の前のワインと対峙した時に湧き出るように感じた感動は、過去に数えるほどしか例のないものでした。
またそのワインが生まれた背景を知れば知るほど、その奇跡に感動をおぼえます。
オート・コート・ド・ニュイのとあるひとつの畑から生まれたワインが、そのテロワールから期待されるものを突き抜けるほどに凌駕した表現力を備えており、
至宝のようなブルゴーニュの最上のワインたちと比肩する品格と奥深さを備えている事実。
そして、それが純粋な自然派ワインの手法(ヤン ドゥリューは自然酵母での発酵はもちろん、
瓶詰めに至るまで二酸化硫黄の添加を行いません。) から生まれているという事は一種の奇跡とも言えます。
「単なるオート・コート・ド・ニュイ (ですらなくVdF) に
この価格はありえない。」と皆さんは感じられると思います。
しかし、ヤン・ドゥリューがこのまごうことなきトップ・キュヴェになぜこの価格を付けたのか、そこに思いを馳せ、共感し、共鳴すれば、その意味するところはすぐさま理解できると思います。
試飲の際、ヤンにはどこか「値段が理由に売れなくても気にしない」と思っている節がありました。
しかしひとたび口にすると、その抗することのできない魅力に、この価格は彼の仕事と結果に対するプライドが込められたものだと理解できました。
今回のリリースは、ヤン本人のプライベートストックから分けてもらった正真正銘の最後のリリース。
是非、彼の凄みを感じ取ってください。

 
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Yann Durieux

「まだ見ぬブルゴーニュの可能性を求めて」

神の恵みを最も受けた土地、ブルゴーニュ。テロワールを語る中で、常にヒエラルキーの最上位として評されるワイン生産地です。ワイン造りの歴史は、ヨーロッパで生きた人々の歴史に密接に関わってきました。その長い歴史の中で、実力を評価され大切に守られてきた土地、それがブルゴーニュなのかもしれません。

しかし今、その荘厳なブルゴーニュへの評価や期待が、それに携わる人の創造性を抑圧しているように感じる時があります。ブルゴーニュかくあるべしという伝統や形式、常識のプレッシャーが造り手にのしかかり、自然と人が関わり合ってこそのワインであるはずのものが、最上のテロワールという反論不可な概念に押しつぶされてしまいそうになるといったように…。

2010年、そんな重く陰鬱な空気を払いのけるような明るく才能に溢れた若手生産者が登場しました。彼の名前はヤン ドゥリュー。伝統や形式に囚われる事なく、純粋な気持ちで畑に向き合い、その繊細な表現力を精彩にワインに映しとる。人柄もワインも「オープン マインド」という言葉がぴったりな快活なヴィニュロン(=ブドウ栽培・ワイン醸造家)です。



ヤン ドゥリューは、オート コート ド ニュイのエリアでニュイ サン ジョルジュとアロース コルトンの間に位置するヴィレ=ラ=フェイ村を中心にワイン造りを行なっています。2010年がデビューとなるヴィンテージで、3haほどの広さの畑から革命的なワインを生み出しています。

ジュアリン ギュイヨの下で7年間ワイン造りを学び、その後、DRC社の共同経営者としても知られるアンリ フレデリック ロック氏のドメーヌ プリューレ ロックで2008年から栽培を担当しています。彼は、自身のワインをリリースするようになってからもプリューレ ロックでの仕事を続けていて、ロックでの仕事を終えた後や休日などを利用してブドウを育て、ワイン造りに取り組む情熱ある生産者です。

ヤン ドゥリューは、ブルゴーニュでも比較的注目されていない土地の中から、可能性を秘めたテロワールを発掘し、その土地で素晴らしいワインを生み出すことに情熱を注いでいます。



「ブルゴーニュには、今評価されている区画以外にも誰も挑戦していないが素晴らしい可能性を秘めた土地、テロワールがある。私の人生はそういった土地を発掘し、素晴らしいワインを生み出すことです。」

そんな彼のアンテナにキャッチされたのがオート コート ド ニュイという地域でした。オート コートという格下に見られがちなこの土地で、徹底的にテロワールの可能性を引き出し、従来の常識を凌駕するワインをファーストヴィンテージから生み出すことに成功したのです。

その秘密はやはり栽培にありました。ロックで栽培を担当しているだけあって自然なアプローチでの栽培に習熟しており、さらには古き先達の話をよく聞き、実際の経験とも融合させて独自の栽培哲学を備えています。その実践の場が自身の畑です。収穫量を徹底的に抑える(最低でも25hl/haを超えないようにする)こと、丁寧にブドウが熟すように収穫を遅くすること、遅い収穫時期であっても過熟にならないように剪定の時期をギリギリまで遅らせブドウの生育サイクルを導くことなど、プリューレ ロックにおいてでさえリスクを考えて避ける方法であってもヤン ドゥリューは挑戦します。つまりロックのグランクリュ畑で行われる仕事と同レベル、いやそれ以上にリスクを取った栽培をオート コート ド ニュイのピノ ノワールやシャルドネ、アリゴテで実践しているのです。



ブルゴーニュというともすれば保守的になりがちな土地で、ここまでリスクをとって覚悟を決めたワイン造りに取り組むヤン ドゥリュー。その結果はボトルに詰められたワインからしっかりと感じることができます。「攻めた」といってもあらゆる要素が完璧なバランスのブドウから造られるワインは、豊富なミネラルと芯のある果実味があり、非常に端正で美しさのある味わいとなっており、不安定さとは無縁です。ロックやパカレに通じる雰囲気もありますが、その偉大な先輩たちすらも持っていない「明るさ」も備えていて、気難しさはなく常に外向的で人懐っこい味わいを楽しませてくれます。そのワインから感じる「明るさ」が造り手本人に会った際に感じる人柄とシンクロしているというのも興味深い点で、実際ヤン ドゥリューは笑顔を絶やすことのない好青年という雰囲気です(ただし腰まで伸びたドレッド系の髪ともじゃもじゃの髭というファンキーな風貌でもあります)。



彼に理想のワインの姿を尋ねると「その日最初に飲むワイン、朝起きて最初に口にして清々しい気持ちにさせてくれるワイン」と答えてくれました。その明るく、清々しいワインを生み出すために自分自身のすべてをワインに注ぎ込んでいると言います。



ヤン ドゥリューのワインの特徴は味わいだけではありません。メインラベルにはアペラシオンなどの記載がなく、パンクやロック、ヘビーメタル、クラブミュージックを思わせるような斬新なデザインのエチケットを採用している点です。これはオート コート ド ニュイやブルゴーニュ アリゴテといったアペラシオンが格下であるといったイメージや先入観を持って飲むのではなく、真っ白な心で飲んで中身の実力で評価してほしいという彼からのメッセージであり、挑戦でもあります。これはまさに、あのボジョレーの鬼才、フィリップ ジャンボンにも通じるロックな魂以外の何物でもありません。と同時にエチケットのデザインがロックやクラブといった音楽系なのもヤン ドゥリュー自身が大の音楽好きであり、かつてDJ活動も行なっていたということが影響しています。正面のエチケットはダフトパンクかブラック サバスかという風情ですし、アペラシオンの表記のあるバックラベル(特にフォント!)はドイツのテクノイベントのポスターのようです。



思わず踊りだしたくなる「明るさ」を備えた新時代のブルゴーニュワイン。パリ中のカヴィストやソムリエが話題にするヤン ドゥリュー!新しいブルゴーニュワインへの扉を開けてくれます。